まちなか探検隊 第6回レポート
輪島ならではの浜屋造りの建物を中心に、建築家の高木信治さんを案内人に河井町周辺を探検しました。
集合場所でまず、今回見て回る浜屋造りの建築についての説明や、輪島は地価が高いため敷地が狭く、通りまでギリギリに建てられていることが多いという話や、『浜屋造り』という名前の由来(浜の船小屋のようなという意味で浜屋作りという名前がついたのでは?という高木さんの説)などのお話をうかがってから、塗師の家へと向かいました。

通称:塗師の家は、もと輪島の塗師屋さんだった広井さんという方のお宅で、明治43年の輪島の大火直後に建てられ、その後輪島建築のモデルになったといわれている家です。材料は、白アリに強く腐敗しにくいアテの木を使い、軒板もしょうのいい1本の木で作られていました。その他にも母屋の作見板(蔵の外壁)は、パネルのようにして板をくっつけてあり、大火事になると外せるようになっているということでした。

塗師の家から少し歩いたところにある畠中さん宅では、家の土台になっている石が興味深く、その色も今まで見たことのないような赤い色をしていました。

浜屋造りの建物は、2階の屋根が1階の屋根より後ろに下がっているため、空が良く見え、視野がすいぶん広く感じられるのですが、この浜屋造りの建物がバブル期に、この朝市通りでも箱型の覆いをかけたような看板建築に多く成り代わってしまったそうですが、また元通りの浜屋造りに戻したところがいそ屋さんです。看板を支えている2本の木がカワイイ魚の形をしていて、参加者の顔をほころばせていました。
はじめに見た塗師の家(旧広井さん宅)を参考にして造られたという八井漆器店の外観を見た後は、朝市通りを曲がり木下小路を南下。右手に、山徳屋漆器店の建物が見えてきました。浜屋造りの建物は、街並みと空との関係が良く、そこに草木の緑が入ると歩いていても気持ちのいい、見晴らしのとてもよい通りに感じられます。
 
輪島塗の木地の、曲輪の技法を建物壁面に応用した梅屋さんの家を過ぎ、舘さん宅、中田町〜大馬場(杵崎さん宅)〜あての家で解散となりました。

第6回 まちなか探検隊データ

日時: 平成16年2月28日(土)
場所: 河井町(漆器関連)
参加: 30人
天候: 晴

◆案内人: 高木信治 さん
(高木信治建築研究所 所長)

◆コーディネータ : 水野雅男 さん
((有)水野雅男地域計画事務所 所長)

◆ルート
いこいの広場朝市側の空き地(集合) →塗師の家(旧広井さん宅) → 朝市通り(いそ屋・板谷商店・市中屋本店・日吉酒店・八井漆器店 他…) → 木下小路(山徳屋漆器店) → 中田町 → 大馬場(杵崎さん宅) → あての家(解散)



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